いちご農家の皆さんは大体、定植が終わった頃だと思います。
これから、根の活着を確認し、いよいよ灌水になりますね。
さて、本題の葉面散布です。
これから葉面散布をするメリットは、色々あるのですが、まずは、活着が弱い段階では、根からの栄養供給が上手にいかないので、それを補う意味で、葉面散布にて養分を供給します。弊社の葉面散布キットは4種混合して使うのですが、実質的な内容は下記のとおりです。
1.微量要素入りアミノ酸
2.有機酸ミネラルカルシウム
3.珪酸
効果は以下の通りとなります。
1.微量要素入りアミノ酸…根圏の菌相を整え、余剰養分を貯蔵します。
アミノ酸資材であるQS-B3、B4のアミノ酸を植物体に直接吸収させる事で、光合成で生成したブドウ糖の消費を抑え、アミノ酸と共に、貯蔵養分を蓄える事で、果実へ養分を供給する事が可能となります。
2.有機酸ミネラルカルシウム…カビ類への抗菌効果やカルシウムの直接的供給が出来ます
有機酸自体には抗菌作用があるため、カビをはじめとする微生物の活動を直接的に抑えることができます。また、カルシウムが欠乏しやすい生長点や果実へ直接散布することで、カルシウムを効果的に補給することができます。
3.珪酸…珪酸は植物の細胞壁を強化し、病害虫や環境ストレスから作物を守る役割を果たします。
珪酸は、植物の細胞壁に取り込まれ、その構造を強化します。珪酸を取り込んだ植物は、細胞壁が厚くなり、病原菌や害虫の侵入が難しくなります。特に葉や茎の表面にシリカの層が形成されることで、虫害(アブラムシやハダニなど)や病害(灰色かび病やうどんこ病など)に対する耐性が向上します。さらに、シリカを含む植物は、葉の表面が光を反射しやすくなるため、光合成の効率が上がるとされています。
葉面散布とは
そもそも葉面散布とは何かというと、作物の葉に、液肥等の養分を施肥する事なのですが、このメカニズムは太古の植物に由来します。
下記のイラストの通り、大昔の植物は水中で生活をしていました。その水中では体全体を使って、養分を吸収していました。やがて進化の過程で苔からシダ、被子植物から裸子植物へ進化をしていくのですが、水中生活の名残で、葉面からも養分を吸収出来る性質は残っていったのです。この性質を利用したものが、葉面散布という事になります。
葉面散布のメリット
葉面散布のメリットとしては、大きく分けて二つ存在します。
一つ目は栄養吸収に即効性がある事です。根や導管を経由せずに、直接、作用する為、速やかに効果が出ます。
二つ目は、根や株元が弱っている状態でも、葉から栄養補給を行う事が可能となります。発根させる事が重要な育苗では、葉面散布が非常に有効な手段となります。
このように、QS肥料の葉面散布スタートキットには、いちご栽培における葉面散布に必要不可欠な成分が十分に配合されております。是非、ご活用下さい。
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