今回は成り疲れ対策のお話です。
成り疲れとは、所謂着果負担で、根や茎、葉に栄養が回らない事や、光合成量が落ちる為、株が疲労して収穫量が減る事を言います。
実が成ると、光合成で生成した糖のおよそ60%が実にとられ、残り40%が葉や茎、根に配分される為、全体的に栄養不足になってしまいます。特に根には20%しか配分されない為、発根が促されず、貯蔵養分も消費する為、弱ってしまうという現象になるようです。
成り疲れ対策にも様々な方法がありますが、一番効果的なのは葉面散布であり、葉や茎、実に直接養分が補給されるため、非常に即効性があり、効果的です。但し、根に転流する量は限定的になる為、根への対策も不可欠であります。今回は、根への対策として、微生物資材の投入をご紹介したいと思います。
1.楽農美人とは
肥料成分を含まない複合微生物資材です。商品価値のない小魚やエビなどの未利用海産物を特殊な発酵技術により高温発酵させ、成分を抽出しており、好熱菌など63種類以上の微生物を含有しています。
2.好熱菌とは
海底火山や温泉の近くなど60℃以上の高温で活発に活動する極限環境微生物です。厳しい環境にも耐えられるよう、非常に丈夫で常温菌にはない特別な機能を持っております。
3.楽農美人のはたらき
楽農美人には発根促進、土壌改良効果、静菌効果の3つの働きがあります。
① 発根促進
楽農美人の一部の菌(ぺニバシラス属菌)は植物体内に入り込みます。この菌は、植物成長ホルモンを作り出す能力があることが分かっています。(千葉大学との共同研究による)
② 土壌改良効果
栽培を続けると、化学肥料などが継続して投入されるため、特定の微生物しか存在しない土壌に変化します。存在する微生物の種類が少ないと、カビ等の病害が広がりやすい土壌になります。楽農美人を散布することで、少なくなっていた微生物が増え、元の土壌に回復していきます。
③ 静菌作用
楽農美人に含まれる菌がイチュリンという抗菌物質を産生することで、フザリウム属菌の一種に対して静菌作用があることが分かっています。
成り疲れには葉面散布が即効性がありますが、根の対策も非常に重要です。
「楽農美人」を定期的に使用することで、成り疲れの軽減に役立ち、いちごの生育環境を改善し、収量と品質を安定させることができますので、QS agriではおすすめしております。
コメント