暑さに負けないイチゴの育苗対策とは?

暑い!
今年は何だか暑そうだぞ。

ええ。そんな気が「すごく」します。

気象庁の見通しでは、2024年5月から7月までの気温は、平年より高い見込みだそうです。

おい、おい、去年でもハウスの中は地獄だったぞ。
あれ以上か…

という声が聞こえてきそうです。

降水量は平年並みだけど、気温は高いようですので、イチゴの育苗をされている方は…

高温障害に要注意です。

高温障害の対策については、寒冷紗の設置や、ハウスの屋根散水、強制的な換気等、様々な対策がありますが…

弊社では、葉面散布での対策をご紹介したいと思います。

高温障害対策には葉面散布

まずは、下の写真をご覧になって下さい。これは弊社の実験圃場で実際に高温障害が発生した事例です。うっかり、ハウスを閉め切った状態で外出してしまいました。当時のハウス内は50℃近くになっていたと思われます。

上段の苗は葉面散布を実施、下段の苗は灌水のみを実施しておりました。左が通常で右が高温障害発生時のものです。下段の苗は高温障害の症状である「しおれ」が発生してしまいましたが、葉面散布を実施していた上段の苗は多少「しおれ」が出たものの、全く問題無く栽培が出来ました。

これは、弊社の葉面散布キットの中のYMC-E(有機酸ミネラルカルシウム)の効果で、カルシウムが、細胞壁の間に油をため込むため、細胞が強化され、寒暖に強くなるというメカニズムを利用したものです。

このように、葉面散布の効果は大変優れたものなのですが、作業する時間がなかなか取れないという就農家様も多いようにお聞きします。

葉面散布とは

そもそも葉面散布とは何かというと、作物の葉に、液肥等の養分を施肥する事なのですが、このメカニズムは太古の植物に由来します。

下のイラストの通り、大昔の植物は水中で生活をしていました。その水中では体全体を使って、養分を吸収していました。やがて進化の過程で苔からシダ、被子植物から裸子植物へ進化をしていくのですが、水中生活の名残で、葉面からも養分を吸収出来る性質は残っていったのです。

この性質を利用したものが、葉面散布という事になります。

葉面散布のメリット

葉面散布のメリットとしては、大きく分けて二つ存在します。

一つ目は栄養吸収に即効性がある事です。根や導管を経由せずに、直接、作用する為、速やかに効果が出ます。

二つ目は、根や株元が弱っている状態でも、葉から栄養補給を行う事が可能となります。発根させる事が重要な育苗では、葉面散布が非常に有効な手段となります。

葉面散布スタートキット

弊社のQS肥料では葉面散布用の資材として、「葉面散布スタートキット」を用意しております。これは、4種類の資材を混合させて使用しますが、一つずつ役割がありますので、順番にご説明致します。

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QS-B3

本資材は、NPKが3-9-3で、カツオと青魚が主成分の、18種類のアミノ酸と拡散を含んだ有機入り液肥です。細胞の縦伸び効果が見込まれており、上に伸びるイメージです。

QS-B4

本資材は、NPKが2.5-2.5-7.5で、B3と同じく、カツオと青魚が主成分の、18種類のアミノ酸と拡散を含んだ有機入り液肥です。細胞横太り効果が見込まれており、実が大きくなるイメージです。

窒素同化作用について

QS-B3、QS-B4はアミノ酸資材です。植物は根からアンモニア態窒素や硝酸態窒素という無機態窒素を吸収します。それに光合成で得たブドウ糖を使用して、アミノ酸やたんぱく質を作るという窒素同化作用が働きます。しかし、最近の研究では、アミノ酸を直接吸収出来る事が分かってきました。

するとどうなるでしょうか。アミノ酸を合成するためのブドウ糖が不要になります。そのため、アミノ酸が直接吸収された分だけ、ブドウ糖の消耗が少なくなり、植物体内に蓄積されます。これが貯蔵養分で、美味しさや甘さなどの品質向上に寄与するという事になります。従って、育苗の段階でのアミノ酸補給は体を作るたんぱく質の生成に大きく寄与しますので、非常に重要な資材となります。

YMC-E

本資材は、微量要素を含んだ有機酸ミネラルカルシウム肥料です。カルス形成が早く、発根能力に優れています。発芽、発根、活着、根張り、育成、光合成促進、重量増等に大きな効果があります。また、農産物のミネラル含有量の増加と糖度向上、連作障害の軽減に効果があります。

Si珪酸

本資材は、液状の珪酸です。木を丈夫にし、食害用害虫の被害軽減効果があります。珪酸は最近注目されている資材なのですが、下記のイラストの通り、クチクラ層と表皮組織の間に硬いシリカ層を1層作ります。このシリカ層のおかげで、害虫から身を守るだけでなく、レンズの役目をして光合成の効率を上げるという役目もしてくれる事が最近分かっています。

これらの資材を混合し、1000倍希釈液を1日1回散布するだけで、育苗に必要な要素が補えるものになっております。混合する事や散布する事は、非常に大変ですが、逆に本作業をするだけで、健全な苗が手に入るメリットは大きいのではないかと考えます。

QS-H2

さらに高温障害対策を確実にするためには、本資材とQSーIPを葉面散布スタートキットに混合させる事で、より効果が確実なものになります。本資材は、各種ミネラル、カルシウム、マイナスイオンを使用した農業資材です。本資材の独自の植物性酵素は、細胞の構造を強化するための重要なたんぱく質で、作物の細胞壁、膜の成長を促進し、暑さや外部ストレスから作物を守ります。耐熱性が高く、高温に効果が高い製品です。QS-IPと混合する事により、さらに効果を発揮します。

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QS-IP

本資材は、野菜や果物から抽出された農業資材です。毛根付近の表面張力を弱める為、浸透性効果が高くなり、給肥力が向上します。展着剤と似ていますが、展着剤は乳化させるだけに対し、本資材は浸透性自体を高める為、一般的な展着剤より効果が高い資材です。

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これらの資材も、それぞれ1000倍希釈したものを、4日毎に1回、葉面散布スタートキットに混合して散布します。

やる事はこれだけです。
簡単です。

お時間のある方は、YouTubeでもご説明しておりますので、ご覧になって下さい。

葉面散布スタートキット
QS式栽培スタートキット
QS式栽培の特徴
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この記事を書いた人

qsagriのアバター qsagri 代表取締役

株式会社 QS agri 代表取締役の桜間秀太です。
2022年5月9日に同志社大学京田辺キャンパスにて創業開始致しました。
肥料の販売及び開発を行っております。
農業の現場を通して培った10年間の経験で、新規就農の方、行き詰っている方、更に向上心の有る方を最大限応援致します。
お気軽にご相談下さい。

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